今回は、参加者のみなさんに、開始する前に「重い話」をさせてもらいました。
フードバンク八王子は、食料に困っている人であれば、どのような方でも(誰でも、です!)お断りをしません。とはいえ、実に当たり前の話ですが、フードバンクには様々な方が訪れるわけです。
これまでは比較的おとなし目の方々が多かったのですが、中には必ずしもそうではない方も訪れます。もしも何かトラブルが発生した時にどうするか、あるいは、その可能性が高いと予測できるときには、あらかじめどうしておくべきか、という話をさせてもらいました。
今回は、その可能性のある方が訪れる予定があったからです。結果的に、その方は来訪されませんでしたが、この種の可能性は常にあるということを、我々はあらためて認識しておくべきだと思いました。(特にフードバンク八王子には、宝物ともいうべきマスコットボーイズもいます)
ここで、我々が勘違いしてはならないことは「フードバンクを訪れるのは、誰もがおとなしく、感謝に満ち溢れている人々だ」というある種の無知というか(逆の意味での)偏見です。
この種の無知と浅薄な善意を、私は憎みます。
この程度の「善意ある人々」は、もしもトラブルが発生した時、実に簡単に「思い」が反転してしまうからです。そのような方々は、そもそも最初から、フードバンクのような活動には関わるべきではないと思っています。(ちょっと厳しすぎるかもしれません、申し訳ありません)
フードバンクを訪れるということは、どういうことか、それを我々は、のんきに食料を提供する側ではなく、訪れる人の立場に立って、具体的に想像すべきではないかと思います。
その日に食べるものさえない、手元には本当に100円もない、そういう状況なのです。しかも、見も知らぬ人から食料をもらう、それでも何もないから(遠いところを歩いてでも)行かざるを得ない、そういう状況なのです。これは、まさにギリギリの状態です。
私自身、この圧倒的な現実を少しづつ知り始めました。
しかし、少しづつしか、理解することができないでいます。