一見、障害者には見えない。
それが発達障害やある種の精神病の特徴ですが、それゆえにこそ、当事者は苦しい思いをしています。
フードバンク八王子ワークスを卒業したHくん。
彼は、株式会社栄光様に、障害者枠の事務職として就職しました。
Hくんは、ごくふつうの20代の男性にしか見えません。仕事の能力も一定の水準をクリアしています。
しかし、寛解したとはいえ、うつ病に苦しんできた過去があり、今もまだ、それは完全に消えてはいません。
そんなHくんが、元気に働いている様子をご紹介してみましょう。
今回は、ご多忙の中、ご無理を申し上げて、人事部部長の昌山様、人事部課長の甲斐様、特例子会社・栄光アースの山下様にご同席頂き、Hくんを中心に、様々なお話を伺いました。
株式会社栄光様は、特例子会社の設立も含めて、10年以上の障害者雇用の実績と歴史を備えている会社です。
実際、私たち支援員の立場から見ても、障害に関する理解は深く、しばしば、教えられているような思いがする時もあります。
開口一番、昌山様と甲斐様は、柔らかな口調でHくんについて話されました。
「仕事は、ちゃんとできています。ただ、まだまだ、勤怠が安定していないところがありますね。そうすると、まとまった仕事を頼みづらくなってしまうところもあります。今後の課題だと思っています」
確かに、Hくんは、気圧の変化などにも弱く、お休みが続くときがあります。昌山様は言葉を続けました。
「障害者枠なので、健常者と同じ視点は持っていません。だけど、自分の体調をどのように管理していくのか、その部分は改善の余地があるはずなので、これを具体的に模索してゆく必要があると思います」
Hくんは、その言葉にうなづきながら、思いを語りました。
「自分でも体調の管理が一番の課題だと思っています。先日は、ちょっと無理かなと思いながらも無理した結果、欠勤が続いてしまうことになりました。こういった失敗経験を踏まえて、改善につとめたいと思います」
このように語るHくんを、昌山様、甲斐様、山下様がやさしく見つめている様子が印象的でした。
更に、会社として、障害者雇用に関して、どのような方針を考えていらっしゃるのか、伺いました。
「何か特別なことをしている意識はありません。ただ、適所適材を一番のモットーにしています。そのためには、部門長が直接面接して、その方の可能性を探ります。それに、職場に参加されたときにも、その方が障害者であることを特に周知するわけではありません。私たちと一緒になって、チームの一員として、働いてもらっています」
Hくんが就職して、もうすぐ半年になろうとしています。
ご覧のように、体調の自己管理など、まだまだ課題があります。
Hくんの試行錯誤は続いて行くことになりますが、私たちフードバンク八王子ワークスは、これからも彼のことをずっと応援し続けていきます。
最後になりましたが、株式会社栄光人事部部長の昌山様、人事部課長の甲斐様、特例子会社・栄光アースの山下様ご多忙にもかかわらず、貴重なお時間を頂きまして、本当にありがとうございました。
今後とも、どうか、よろしくお願い申し上げます。