東京辺境の地、八王子市、その広大な行政区域にフードバンクを立ち上げようと思いました。
しかし、我々には何の経験も実績もありません。思っただけでは、どうにもなりませんでした。
そもそも、フードバンクとは何でしょうか?
よくわかりませんでした。
余った食料を困った人たちに提供する、ここまではすぐに理解できました。
ところが、実際に活動しようとすると、すぐに様々な困難に直面しました。
少なくとも「善意」だけでは、どうにもならないことは、すぐにわかりました。
いったん始めたら、簡単にやめるわけにはいかないことも、わかりました。食料を求めに来た人に「今日はありません」とか「もうやめました」と言うわけにはいかないのです。
いろんな方々に相談しました。いろんなことを調べました。そして、我々は、いろんなことを考えました。
特に、二つの場所に何度も足を運びました。
一つは、国内最大にして最古の歴史を誇るフードバンクのパイオニア・セカンドハーベスト、もう一つは、八王子のお膝元、八王子市役所です。
彼らから実に多くのことを学び(ありがとうございました!)、様々な議論を積み重ねていくうちに、八王子という土地で何を目指すべきかというイメージが徐々に生まれてきました。
それは、我々のフードバンクは「八王子という地域に根ざしたフードバンク」であるべきだ、ということです。
しかし「地域に根ざした」という表現だけでは余りにも抽象的です。
具体的に何をすべきなのでしょうか?
食料に困っている人たちには様々な事情があります。が、根本的には、社会的に孤立しているからこそ、彼らは食料に困る事態に至ったわけです。
つまり、地域に根ざしたフードバンクとは、食料を通じて、社会的に孤立してしまった人々の社会性を再構築する窓口になること、これが我々が目指すべき目標であることが次第に明確になってきました。
とはいえ、この目標への実現の道のりは簡単ではありません。
「少しづつ、できることから着実に」をモットーに歩んで参ります。
どうか、長い目で見て頂き、みなさまのご支援を賜れば幸いです。
どうか、よろしくお願い申し上げます。